HOME > 腎不全と診断されたら

腎不全・腎臓病と診断されたら。

とにかく諦めない事が第一です。

健康診断やワクチン接種等で病院へ行き血液検査をして偶然発見されるよりも、体調が悪くなり検査をした結果、突然腎不全と診断される事の方が多いかもしれません。
診断されたタイミングや経緯にもよりますが、状態が悪化してから病院で検査をすれば検査結果は悪くて当然です。
状況によっては「人間では透析レベルです」や「覚悟して下さい」といった言葉を獣医師から聞く事になります。
それでも諦めないで下さいね。

急性腎不全と慢性腎不全の違いもありますが、数値が高い=末期 とは一概には言えません。
急性腎不全の場合は一刻を争いますので、どれだけ適切な処置が出来るかがポイントですが、慢性腎不全は徐々に進行している場合がほとんどですので、対処の仕方と状況次第では症状が大きく改善する仔も多くいます。

腎不全と診断された時、まずは最低限の知識を身につけ獣医さんの処置内容や考え方が分かるようになるのが理想です。

最初に気をつけること

・腎不全の診断根拠と検査内容、検査結果を獣医さんに詳しく説明してもらう。
・食事とお水についての知識は最低限身につける。
・薬やサプリメント、輸液などの処置についても勉強する。
・愛猫さんが落ち着いて生活し、いつでもお水が飲める環境を整える。
・飼い主が過度に神経質にならず、今まで通りの接し方を心がける。



確定診断の根拠は?

実際に獣医さんから腎不全との診断を下された場合、診断の根拠を再確認してください。
血液検査だけで終わらせていませんか?
尿検査も1度だけでなく、数回行わなければ診断材料にはなりませんし、必要であれば尿比重(USG)の他に、UPC(尿蛋白/クレアチニン比)UAC(尿アルブミン/クレアチニン比)の値も参考にして下さい。
腎不全は原因が特定出来ない場合も多々ありますが、明らかに原因があり、その原因を見逃している場合も少なくありません。
中には原因を見逃し、適切な対処をしなかったばかりに本来生きるべき命が消える事もあります。

さらに、血液検査の数値が微妙な場合は特に注意する必要があります。
大型で筋肉量の多い雄猫などはCre(クレアチニン)の値が高い場合もありますし、採尿方法血液検査のタイミングによっても数値が変わってきます。
BUNが基準値を少し超えた程度の低い数値であるにもかかわらず、食欲不振や嘔吐がある場合は別の疾患が原因かもしれません。
臨床症状が無い場合でも、心疾患や高血圧などの循環器系の病気や炎症・内出血などによってもBUNは上昇します。
その逆に、血液検査の数値が大きくオーバーしている場合は慢性腎不全ではなく急性腎不全である場合もあります。

どちらにせよ、初めて腎不全と診断された時には多くの検査が必要になる場合があります。
詳しくはサイドメニューの“検査と処置”のページに書きますが、あまりにも安易な判断をする獣医さんがいるのも確かですし、腎不全の診断・治療については獣医さんの経験や知識量の他に、考え方も大きく影響すると思われます。

キーワード

・UPC(尿蛋白/クレアチニン比)
・UAC(尿アルブミン/クレアチニン比)
・採尿方法
・血液検査のタイミング

病院の方針と相性

初めて診察した病院や、年に1回のワクチン接種での通院程度では病院の方針や獣医さんの考え方は分からないのが当然ですが、腎不全は短期間の治療で終わる病気ではないので病院選びは重要になります。

腎不全とは“闘う”のではなく、“付き合う”ものです。
原因を追及しても処置は同じという理由から詳しい検査をされない獣医さんもいますし、データ重視で検査を多く行う獣医さんもいます。
西洋医学だけでなく自然療法を取り入れられている獣医さんや、最低限の処置しかしない方が良いという獣医さんもいます。
知識が少なく未熟な獣医さんは論外ですが、考え方により処置内容が大きく変わる場合もありますので、病院の評判に惑わされずに病院選びをして下さい。

基本的に病気を治す(対処する)のは獣医さんであり、愛猫を守るのは飼い主だと思ってます。
良き獣医さんと出会い、飼い主と愛猫さんの3人6脚で付き合っていきたいものですね。

個人的に病院を選ぶ基準

以下、あくまでも個人的な考えですが病院を選ぶ際の条件です。

@ 診察前に診察台を必ず消毒している病院。
A 詳しい明細書を発行してくれる病院。
B 処置前に内容や費用についての説明をしてくれる獣医さん。
C ワクチン接種についてリスクマネジメントを行っている病院。
D 形式だけのインフォームドコンセントではない病院。
E 飼い主の意見や考え方を鼻で笑わない獣医さん。
F 出来れば犬と猫を分離した待合室や入院設備を設けている病院。

贅沢を言えばキリがありませんが、せめて@〜Cはクリアして欲しいと思ってます。

Cのワクチン接種についてですが、腎不全との関係というよりも獣医さんの考え方を知る上で重要な事だと思ってます。詳しくはサイドメニューの“ワクチンについて”で書きますが、簡単に言うとワクチンは大きく分けて『不活化ワクチン』と『生ワクチン』の2種類があります。
さらに3種・5種・7種などに分類され、どのワクチンにもある程度の副作用があります。
その中でも『不活化ワクチン』には【ワクチン誘発性繊維肉腫(癌)】のリスクがあり、獣医さんがこのリスクについてどう考え、どのような対応をしているかが重要かと思われます。



▲ページトップに戻る